大腿神経ブロック
大腿神経ブロックは鼠径部大腿前面の痛み(大腿神経痛)に対して行うブロックです。
第2~第4腰神経叢から構成されています。大腰筋とともに下行し鼠径部の筋裂孔を通って大腿三角にいたります。大腿三角より下方で縫工筋大腿四頭筋に筋枝を出します。皮枝としては大腿前面に分布する前皮枝および伏在神経などがあります。伏在神経は大腿動静脈とともに内転筋管を通過し失下内側にでます。そして鵞足付近で膝蓋下枝および内側下腿カ枝となって下腿内側や足背内側の皮膚を支配します。
神経ブロックの手技としては大腿神経の本管をブロックする方法とその分子である伏在神経をフブロックする方法があります。
大腿神経本管のブロックは、患者は仰臥位として鼠径靱帯と大腿動脈の拍動を確認します。刺入点は恥骨結合の上縁の高さで大腿動脈の拍動を示指で触知してその示指の外側という形でとります。注射針は25G直径0.5ミリ長さ2.5センチそれより眺めのものを用います。刺入店に垂直に刺入し鈍痛が得られるまで進めていきます。垂直で針を進めていく過程で放散痛が得られる前に大腿神経のすぐ上層にある腸腰筋筋膜を貫くという手ごたえがえられます。そこからさらにすすめていきまして放散痛が得られた場合大腿前面膝下腿足部の内側こういった部分に放散痛が得られます。この放散痛が得られたら針を固定して血の逆流がないことを確かめて局所麻酔薬を2~5ミリ程度ゆっくり注入していきます。このフ部分での大腿動脈までの深さ1~2.5センチ程度動脈を穿刺した時には少し針を抜いて外側に方向を変える。また放散痛がえられない時でも刺入方向を外側に変えてみるという方法を試してみます。しかし、この部位での局所麻酔薬の浸潤というのは期待できるので無理に放散痛を出さなくてもよいと考えられます。
分枝の伏在神経のブロックは伏在神経が通過する大腿骨内側下部の疼痛に対するブロックです。
ブロックする部位は膝内側上部下部足関節部です。
膝内側上部のブロックは仰臥位で大腿骨内側上顆よりやや上方縫工筋と薄筋の間の圧痛の著明なところを触診で探します。神経痛がない場合にも嫌な痛さのあるところです。25G2.5センチの注射針を皮膚に垂直に刺入し筋膜を貫き放散痛のえられるまでゆっくり針を進めていきます。大腿骨内側上顆のすぐ上ですのでそんなに深くは実際には入らないところですけれどもその部分で針の方向を変えたりして放散痛が得られるように探していきます。放散痛が得られましたら局所麻酔薬2~5ml程度注入していきます。もしここで放散痛が得られない場合その周辺の皮下に扇状に注射針を動かしながら局所麻酔薬を注入して広範囲に薬をばら撒いてくる方法をとります。
膝下部のブロックの方法は、膝蓋下枝ブロックという別名が付いています。膝蓋尖から平行に内側に引いた線と伏在静脈が交差する地点のやや後方で圧痛店の強いところを刺入点としてとります。伏在静脈と膝関節の内側の部分でよくみますと表層にわかりやすい静脈なので確認できると思います。膝蓋骨下縁の線ですと裂隙に近い尖になりますが直交する点より少し後側に注射針を入れていきます。皮膚に垂直に脛骨内側顆に向けて針を進めていきます。放散痛がえられたら局所麻酔薬を2~5ml注入します。このブロックは膝の痛みに用いられるのですが、膝関節部の神経支配は複雑ですので他の神経ブロックと併用しないとなかなか膝の痛みをとるのは難しいと考えられています。
足関節部のブロックの方法ですが、刺入点は内果の前上方で大伏在静脈の圧痛の強いところです。この部位ではこの神経は大伏在静脈と並行して走っているので、皮膚錠から確認できる血管が目安となります。注射針を皮膚に垂直に刺入し内果に当たるまで刺入していきます。内果に当たったところで局麻薬を浸潤注入していきます。なかなか放散痛を得られない部分なので薬液を広範囲にばら撒きます。
鍼への応用ですが鼠径部の神経ブロックの場合放散痛が得られない場合は通電を使ってもいい。膝の場合は、ピンポイントではなかなか難しいので前方から内側裂隙の部分で横刺して伏在神経を引っ掛け通電し膝のほうに放散するようなら膝蓋下枝にあたっているだろうし、下腿内側から足部に放散しているようなら伏在神経本館のほうに刺激がいっていると判断できます。
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7421/15894969
この記事へのトラックバック一覧です: 大腿神経ブロック:

コメント