顔面神経麻痺(新鮮例)
予後の判定のポイントは顔面神経以外の症状があるかないか、涙が出にくくなっていないかどうか、耳の奥でボアンとした違和感があるかどうかというような聴覚過敏、味が感じなくなっているかどうかあるいは唾液が出にくくなっているかどうか、チェックすることが予後判断のポイントとなってきます。
麻痺だけですと治りが良く予後が良いといえますし、それ以外の症状がありますと神経の変性が強いと考えられますので予後が悪いと考えて治療にあたらないといけません。
具体的な治療法は、マッサージや鍼をする前に温熱療法をします。ホットパック、熱い蒸しタオルなどを用いて10分~15分温熱療法をします。
次に麻痺筋に対するマッサージですが、麻痺になった筋肉一つ一つに対してマッサージをしていくのですがただ単にマッサージヲしているだけでは効果が出にくく患者さんの満足度も低いようです。
表情筋の一つ一つの筋肉で、例えば額にしわを寄せる前頭筋の場合は、マッサージヲしながら他動的に前頭筋の収縮を起こして筋肉を動かしてあげるということが大切になってきます。
前頭筋の場合は、四指の指と指の間に筋肉を軽くはさんで筋肉が収縮されると眉毛が上がり、その状態で四指ジュウネツを行います。
眼輪筋に対するマッサージは、眼窩の上縁と下縁に人差し指と中指を置き軽く目を閉じさせるようにして他動的に閉眼させてジュウネツします。
口輪筋は、上唇と下唇に同じく人差し指と中指を置きまして口を尖らせるように押してジュウネツします。
麻痺の患者さんは自分で筋肉を動かすことができませんので術者が表情を作りマッサージをしていきます。
鍼も基本的には治療目的は温熱療法とマッサージと同じになり、血行を良くし循環改善ともう一つは鍼をすることで麻痺筋の回復を促進させてあげるということが目的となってきます。
まずは、置鍼普通鍼ですが、顔面部の表情筋にあります経穴(ツボ)に置鍼をしていくという治療法です。
前頭筋でしたら、陽白、(眉毛の中央から2センチ程度上にあるツボ)眼輪筋でしたら、四白(眼窩の下縁の1センチ下の眼窩下孔部)口輪筋でしたら、地蔵(口角から1センチほど外側で鼻唇溝部)1番鍼を用いて10~15分で週1~2回程度行います。
麻痺側の肩こり首のこりとかに、天柱、風池、肩井、合谷、曲池にも置鍼をしたりします。
次にパルスですが、前頭筋、眼輪筋、口輪筋に先ほどのところのツボに、軽い筋収縮で1ヘルツで10~15分通電します。
リハビリのほうでは、表面電極で低周波で顔面筋を刺激することが主になっていますが、目的は同じく他動的に筋収縮を起こして筋肉を動かしトレーニング効果を期待しています。
3つ目の治療としては、顔面神経パルスということで、顔面神経に刺激を与えて神経領域の表情筋を全て動かしてあげるということで基本的に2本の鍼でたります。
ツボとしましては耳の裏にある翳風に直刺で寸6で半分くらい鍼を入れます。もう一つの鍼は天柱風池頚部でも肩でもどこでもかまいません。マイナスを翳風に置き1ヘルツで徐々に電圧を上げていきますと、前頭筋眼輪筋口輪筋が動いてきます。
患者さんに痛みを感じさせない程度に動かしていくことが大切になります。
患者さんが苦痛を感じない程度で動かすことで、直後顔がすっきりするとか、こわばりが取れたとか、そういう自覚症状がえられます。
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