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カテゴリー「体幹」の24件の投稿

2008年3月31日 (月)

中府への刺鍼

静脈刺鍼をさけるには上腕骨外旋位で胸を張った状態で取穴することが望ましい。
解剖姿位では外上方に位置する三角筋や撓側皮静脈が正面に来てしまうからです。

2007年9月21日 (金)

陰部神経ブロック

陰部神経ブロックとは、陰部の除痛に対して行われるブロックです。
このブロックは産科領域とくに無痛分娩で多用されているブロックですがペインクリニック領域で行われる機械は少ないです。その理由としては会陰部の痛みに対して除痛を試みる場合には仙骨硬膜外ブロックが簡便なので陰部神経にわざわざ当てずにそのもとの、仙骨硬膜外ブロックを現在用いられることが多いです。
陰部神経は第2~第4仙骨神経の前枝によって構成されています。梨状筋下口から出て坐骨棘と仙棘靭帯の内側を通過して肛門周囲の会陰筋(外肛門括約筋など)と外陰部の皮膚知覚を支配している神経です。
ブロックの方法は枕を殿部の前に置き腰部を高くする様な腹臥位をとります。坐骨結節を触診して坐骨結節を刺入点とします。坐骨結節部に局所麻酔をして、22G直径0.72ミリ長さ7センチくらいを用い坐骨結節めがけてあてて、その後坐骨結節の内腹側方向に(内側やや前方)坐骨結節に掠めるような形で数センチ刺入してここで局麻薬を5ml程度注入します。会陰部の感覚がなくなればブロックは成功したことになります。
適応は会陰部痛ですがペインクリニック領域でやる機械があるとすれば時疾患術後の痛み、腰部脊柱管狭窄症の馬尾障害で会陰部の灼熱感や痛みがある場合仙骨硬膜外ブロックを用いることが多いのですがそれで効果がない場合試してみる手段で用いることはあるかもしれません。
鍼灸治療で坐骨結節の内側に鍼を向けて鍼を打つというのは患者さんの下着などをかなりずり下げなければならないのでここから狙っていくということはなかなか難しいです。代わりに梨状筋下口から狙う手技がありますがそれを応用して位置関係は坐骨神経の下方から陰部神経は出てきますので1~2横指下げたところでさらに針先を内下方に向けるような形で、実際にはこのブロックの刺入点よりは仙骨に近いほうで3寸の鍼が用いられる。
神経ブロックでは、仙骨硬膜外という方法があるので陰部神経というのはあまり使わないのですが、鍼治療の場合は、硬膜外まで鍼をさせないので、末梢枝で狙っていく方法のほうが会陰部痛肛門部痛を訴える患者さんがいた場合にはこういった手技で対応する。

2007年6月13日 (水)

腸骨下腹神経・腸骨鼠径神経ブロック

刺入点は、患者を仰臥位にして、上前腸骨棘より1センチ~1.5センチ内側で、この部位で内腹斜筋と腹横筋の間を通る2つの神経を同時にブロックしていきます。まず、刺入点を中心に局麻を行います。注射針は、25G太さ0.5ミリ長さ60ミリのものを使用します。刺入部よりやや外側にむけて腸骨の内壁に当たるように鍼を進めて行ってそこから鍼を引き抜きながら局麻薬を5~10ml.程度浸潤させていきます。次に注射針を刺入部より臍部のほうに向け針を進め刺入点と臍を結ぶ外側に局麻を5ml.皮下に浸潤させるように投与していきます。鼠径部及び下腹部に、知覚の鈍麻が起こればブロックが成功したと考えられます。皮下に浸潤させる程度というのですから上前腸骨棘の内側で刺入深度としては浅い刺入深度で薬液を刺入していきます。注射針としては60ミリという長い針を使うのは深く刺すというのではなくて皮下に沿わせるような形で入れていくということで長さが必要になります。ちょうど、鍼灸の鍼でいうと、水平刺、横刺と同じような形で薬液を注入していくということになります。

腸骨鼠径神経

第1腰神経により構成され腸骨下腹神経のすぐ下から分岐していきます。腹壁を回りながら側腹筋に筋枝を出すほか腸骨稜から鼠径靱帯にそって鼠径部にいたり外陰部の知覚を支配します。

腸骨下腹神経

第12胸神経と第1腰神経によって構成されています。この神経は肋間神経と同様に腹壁を回りながら腹部の筋(腹直筋・側副筋)を支配するほか腸骨稜の直下に外側皮枝そして下腹部に前皮枝を出します。

2007年5月 9日 (水)

腹腔神経叢ブロック

腹腔神経叢ブロックとは腹部内臓に由来する疼痛を寛解させることを目的とし腹腔神経叢に入る神経または神経節に薬液を注入して腹部内蔵を支配する神経の伝達を遮断するブロックです。
このブロックは上腹部と後腹膜由来の悪性腫瘍による痛みすなわち慢性疼痛の治療に適用があります。またこの交感神経の関連のブロックとしては下腸間膜動脈神経叢ブロック、上および下腹神経叢ブロックなどもあります。
腹腔神経叢は大動脈の前面横隔膜の下方後腹膜の後面で腹腔動脈上腸間膜動脈起始部この部分の左右に広がる神経網の総称です。
腹大動脈の前面にはその全長に渡って交感神経叢が広がっています。
腹腔神経叢はその中でも最も密度の高い集まりです。
さらに腹腔神経叢から腹大動脈にそって下行する交感神経のネットワークの一つに下腸間膜動脈神経叢があります。
下腸間膜動脈の起始部を取り囲むようにこの神経叢は位置しています。
この神経は横行結腸から肛門までと泌尿生殖器に分布しています。
さらに下腸間膜動脈神経叢の下方には上腹神経叢・下腹神経叢があります。
この神経は仙骨内臓神経と骨盤内臓神経とともに骨盤神経叢を形成します。
その位置は下腸間膜動脈起始部下端から大動脈分岐部、左右の総腸骨動脈に枝分かれするその手前までの範囲にあります。
上および下腹神経叢が左右の下腹神経に分岐する位置は第5腰椎前面から第一仙椎前面です。
下腹神経は泌尿生殖器に分布しており排尿や勃起あるいはこの部分の痛みと関与しています。
腹腔神経叢ブロックの手技ですが、アプローチの方法には前方接近法と後方接近法があります。
一般的には後方接近法が用いられます。
前方接近法は開腹して行う処置であるため手術の際、例えば上腹部の悪性腫瘍で述語に痛みが予想される例で手術や放射線照射が行われたとき術中に同時にこのブロックを行うというようなことがあります。
その場合に前方接近法が適用となります。
一方、後方接近法には、さらに傍脊椎法と経椎間板法があります。一般的には傍脊椎法が用いられ刺入方向に腫瘍が存在する場合は経椎間板法が適用となります。
傍脊椎法による手技は患者を側臥位としてX線透視下で第一腰椎体を確認し椎体の中央を通る水平線を皮膚上に定規で皮膚上にマジックペンなどで線を引きます。
そして正中より6~8センチ外側の点を刺入点とします。(普通6センチで、身体の大きい方で8センチ)
この部分を1%カルボカインで局麻した後21G直径0.8ミリ長さ12~15センチ位スタイレット付ブロック針(翼状針)を用いて透視下で第1腰椎体側面に向けて進めていきます。
透視下で側面から見た状態で針先が椎体の側面の骨に接したらゆっくりとそこからは刺入していきます。
当然この位置まで注射針を進めるということは、その前に腰神経叢を貫通していきます。
さらにそれよりも前方に針先を進めます。
椎体側面に沿って入れていくということは外方6センチの位置から椎体のほうへということですから正中に向かって刺入していくのですがこれは腎臓を注射針で穿刺してしまうことを避けるために椎体ぎりぎりに沿うような形で外方から入れていきます。
この際ブロック針に生殖を入れたシリンジを接続しピストンを押しながら(抵抗を感じながら)針先を進めて行きます。
筋や結合組織がしっかり詰まっているような場合には注射器に入っている生食はなかなか中に入りずらいですが、大動脈の周辺にある空間(コンパートメント)に針先が到達すると急にピストンの圧が消失して生理食塩液が入りやすい状態になります。
そこまできたら神経叢の付近と判断し薬液を注入していくということになります。
ちょうどコンパートメントというのは横隔膜の下方(起始部上方)そして椎体そして腹大動脈が形成する個室のような空間コンパートメントまで針先を勧めます。
その後の針の位置は左右のどちらから刺入するかということで異なってきます。
要するに腹大動脈の位置が椎体前方でやや左側によっていますので左側から刺入した場合には透視下で腹大動脈の後面まで針先を進めて行きます。
そこで5ミリ程度の造影剤と局麻薬の混合液を注入します。
すると正面像で透視をしたときには薬液がH型に広がり側面像では椎体前面から大動脈の前方まで長方形の形の陰影が現れます。
正面像でアルファベットのH型の陰影というのは椎体前縁のところ腹大動脈の両サイド、腹大動脈から前方に分枝している枝で腹腔動脈と上腸間膜動脈この2本前に枝分かれしていく動脈の上下の間に薬液が入るのでこれがH文字の横棒に見えてH型に見えます。
これが右側から刺入した場合には腹大動脈は左によっていますので距離が遠くなります。
ですので、針先が腹大動脈に当たるということはないですが、右のほうでは、大動脈、横隔膜、椎体これで囲まれるコンパートメントが少し廣くなっていて、薬液の広がりは広くなっていて反対側のほうへ薬液がなかなか浸潤しないということになります。
左側から入れた場合には幾分右のほうには薬の浸潤が認められるということになります。
造営所見から針先を良好な位置にあると判断されたなら造営20分後に神経破壊薬を注入していきます。
腹腔神経ブロックに使う薬液というのは基本的には神経破壊薬を用います。中には局麻薬プラスステロイドを注入するということがあるのですが、基本的には癌性疼痛に用いますので神経の破壊を目的にブロックするので神経破壊薬を用います。
使用される神経破壊薬の種類濃度量というのは非常にさまざまです。
一例を挙げれば99.5%アルコールを一側あたり15~20ミリ程度ですが、施設によってアルコールの濃度や量は様々です。
あるいはフェノールを用いるところもあるようです。15~20ミリ程度というのは神経破壊薬の量としては多いということになります。ということは腹腔神経叢の周辺が広いということになります。
ブロックの後はそのままの体位で2時間そのあとさらに自由な体位で2時間安静を取らせます。
側臥位では一側ずつしかブロックができませんので反対側に行う場合には翌日以降にブロックを行います。
腹腔神経叢の下方にあります下腸間膜動脈神経叢ブロックというのは下腹部骨盤内臓から求心性繊維に由来する疼痛を除去する目的で用いられます。
このブロックは第3腰椎体のレベルで腹腔神経叢ブロックと同じようにブロックすることができます。
腹腔神経叢ブロックと違う点は前方に横隔膜の起始部がないため腹大動脈に十分針が接してナイト、この神経叢というのはちょうど腹大動脈の前方に網の目のような状態で存在するのでかなり網の目のような状態で存在するのでかなり動脈に接していないと前方に漏れ出て行って下に流れてしまうという欠点があります。
上および下腹神経叢ブロックは骨盤内臓由来の除痛に有用な手技です。
第5腰椎体の側面に接しながら行う傍脊椎法そしてL5-s1間の椎間板を穿刺して椎間板を貫通していく経椎間板法の二つがあります。
一般的には傍脊椎法、椎体の側面に接しながらという方法です。
アプローチの方法としては、腰部交感神経ブロックの斜位法とほとんど同じような手技でただ針先が交感神経の位置よりももっと前方の腹大動脈あるいは分岐部の方まで進んでいきます。
これらの神経ブロックの適用ですが、悪性腫瘍による腹部の疼痛です。
腹腔神経叢ブロックの場合腹大動脈周囲のリンパ説が腫脹している腹腔神経節あるいは下腸間膜神経叢、上および下腹神経叢を刺激しているというような腫瘍の転位リンパ節の腫大などに効果が認められます。
腹部痛を訴える患者では、末期がんの場合モルヒネを良く使いますがその前段階として試みる手段として考えられています。
そのほか腹腔神経叢ブロックの適用として急性膵炎や胆嚢炎あるいは術後腹部痛手術後に起こる原因不明の腹痛こういったものが適用としてあげられます。
ただ癌性疼痛とは異なり神経破壊薬の変わりに局麻薬とステロイドを用います。一時的に除痛を図るというものです。
下腸間膜動脈神経叢ブロックと上および下腹神経叢ブロックは直腸癌や膀胱癌というものの除痛に適用があります。
合併症は、これらは交感神経叢の枝ですからブロックで低血圧あるいは起立性低血圧などを起こすというようなことがあります。10~15mmHg程度血圧が下がるといわれています。
交感神経が遮断され副交感神経優位になって消化管運動が亢進するということから下痢を起こすことがあり場合によっては下痢が一ヶ月以上持続することがあります。
酩酊用状態というのも合併症としてありこのブロックの場合神経破壊薬としてかなり大量のアルコールを使用しますのでお酒を飲めない方の場合酩酊状態になるということがあります。アルコール性神経炎が起きやすいです。
血管損傷というのも合併症としてあります。腹腔神経叢などまで針先を持っていこうとすると、これらの神経叢というのは腹大動脈の前にありますので針先が動脈のほうに向かっていくので、実際に血管や神経に穿刺する必要はないのですけれども、針先が行き過ぎて血管に入ってしまうというようなことはあります。ただ、血管に入ったとしても吸引テストをすれば薬液の注入はせずにすみますので問題ないと思いますが他に、血管の損傷ですが、動脈に穿刺した場合にもそんなに大きな穴は開きませんのですぐに止血されるので問題はないかと思います。ただ、下大静脈の場合は、それほど弾力性のある血管ではないので、太い注射針などで穴を開けてしまうと止血されにくいというようなことはあるようです。

以上、腹腔神経叢ブロックですけれども、かなり深層部へのブロックですので、なかなかこういったものは鍼治療への応用というのはできません。


胸部腰部交感神経ブロック

胸部交感神経ブロックとは交感神経(交感神経幹・交感神経節)これを薬液を用いてブロックする方法です。その作用は体性神経系の影響なし血流の増大皮膚温の上昇発簡停止鎮痛効果等が生じ神経破壊薬の使用によりその作用を延長することができます。
本ブロックは他の神経ブロックと比較して難易度が高い手技であるため現在ではあまり臨床では行われていません。
胸部神経節神経管の解剖ですが、第二から第六肋骨上の交感神経を観察してみるとこの神経は椎間孔から出てロッコツ頭と椎対で構成される肋椎関節の上を通ります。その関節の放射状ロッコツ頭靭帯(椎対の上肋骨窩と下肋骨窩そして肋骨頭の部分の関節を補強する靭帯)と肋骨頭の間にこの神経は存在します。
ですから交感神経はこの関節を中心とした部分に内側外側に網の目状に走行している形になっています。
刺入部位によって前方横気管法と後方横脊椎法があります。有効率と合併症が少ないという理由から一般的には後方横脊椎法が施行されます。前方横気管法というのは鎖骨上第二第三胸椎の高さのブロックで行うもので患者の体位は星状神経節ブロックと同じで仰臥位で前方からブロック針を刺入していく方法です。
一般的に行われる後方横脊椎法は、患者を腹臥位として行うのが現在は一般的です。この際X線透視下で椎体が綺麗な四角形が診られるようにセットし棘突起が椎対の中央に位置するように調節します。
刺入点は棘突起から外側4センチ程度(体格にもよるのですが3.5~6センチ)棘突起から外方にX線透視下で刺入点を決めます。透視下で長さ6センチの注射針で刺入店から椎弓根まで局麻します。次に透視下で21G(直径0.8ミリ)長さ10センチのブロック針を椎弓根に針先が当たるまで進めていきます。そして針先を徐々に下外側に移動させ下関節突起外縁に近づけていきます。
針先を下関節突起外縁に滑り込ませてゆっくり進めると椎対に針先が当たります。
針先の椎対に当たる前に神経根や肋間神経に触れると前胸部に放散痛が生じます。このときは針先を抜いて上下に方向を変更して刺しなおします。
ブロック針の刺入深度は、7センチ前後(体格によって5から8センチくらい)目的とする部位に針先が到達したら造影剤と局麻薬を混ぜた混合薬を注入します。それをX線透視下で確認すると椎体側面から横突起までの間に造影剤が広がっていくのがわかり、このような造営画像がえられれば効果がでる確率が高いと判断します。
ブロックの効果は、混合液注入後5分くらい経過してから上胸部でブロックした場合には上肢の皮膚温上昇や発汗停止下胸部では肋間神経痛だとかの疼痛の軽減があるかないかで効果を判断します。
効果が確実で合併症がおきてないか造営パターンも問題がないかということであればここで混合液注入後20分様子を見てその後に神経破壊薬(100%アルコール)1~3ミリ程度注入します。これでブロックが完了ということになります。
この神経ブロックの適応は胸部あるいは上肢の反射性交感神経萎縮症、カウザルギー、帯状疱疹後神経痛(肋間神経領域)、多汗症、上肢の末梢神経障害等の場合にも用いられます。合併症としては気胸が一番リスクが高い。あとは交感神経ではなくて知覚神経を神経破壊薬でブロックしてしまった場合にはアルコール性神経炎と言って知覚が脱失するほかに焼き付けるような激しい痛みが直後に出ます。その他交感神経の交感神経幹交感神経節というのは椎対の前側面にありますので、そこにいたる途中で注射針で神経根や肋間神経を傷つけるというような神経損傷を起こすというようなことがあります。
鎖骨の上で第二胸椎の高さで交感神経をブロックした場合(前方法)フォルネル症候がでるというような場合があります。これは星状神経節をブロックした場合と同じような感じで起こるわけですけれども、症状としては縮瞳、眼球陥凹、眼裂狭小、フォルネル症候の三大徴候が現れます。
腰部交歓神経節ブロックとは、下肢の血行改善、発汗停止、交感神経系求心路が関与する疼痛これらを寛解させる目的で行われるブロックです。このブロックは胸部に比べ技術的には比較的容易であり、交感神経斜断効果も数年持続します。神経破壊薬をもちいる場合のほかに、高周波を用いて交感神経をブロックする方法もあります。こちらは安全性は高いのですがアルコールでブロックした場合よりは効果が劣るといわれています。
腰部神経節、腰部神経管の解剖ですが、第ニ第三腰椎レベルでこの交感神経幹を見た場合椎体前側面を縦に走っています。そしてこの神経管は大腰筋の筋膜と腎筋膜後葉とが形成する扁平なスペース(コンパートメント)が存在するのですがその中にあります。そのコンパートメントの中には、脂肪組織、リンパ、血管、疎性結合組織などが神経のほかにも存在します。腎筋膜後葉の前方には、腹大動脈下大静脈が走行します。
腰部交感神経節は、交感神経幹のところどころに4~5個存在します。ただしその場所は一定しておらず個体差があります。
よって腰部交感神経ブロックは、前述したコンパートメントの中に薬液を注入してコンパートメントの中へ交感神経幹、交感神経節、節前節後の交通枝、これらも含めてひろくを破壊するということになります。意味合いとしては星状神経節ブロックと同じコンパートメントブロックとなります。
刺入方法には椎体側面に針先を滑らせて行う傍脊椎法と椎間板を穿刺して行う経椎間板法の2種類があります。
患者の体位としては、側臥位法斜位法腹臥位法の三種類があります。
この中で一般的に用いられているのは、側臥位による傍脊椎法です。
この手技は例えば通常良く行われる部位は第2~第4腰椎でのブロックです。
患者の体位は側臥位とし腰部のくびれに枕を入れ棘突起がベットと平行となるように設定します。
透視下でメジャーや定規などを用いて椎体前縁の中央部と椎間孔上縁を結びます。椎体前縁を透視下で確認してその上下の距離の中点にポイントをとってもう一つは椎間孔の上縁のところにポイントを打ってそこをメジャーや定規などで線で結びそのメジャーにそって皮膚上にマジックで線を引きます。
刺入点は患者の体格にもよりますが、この直剪の延長線上棘突起より外方6センチ~10センチのところにとります。
同様の操作を2~3分節あけてもう一ヶ所刺入点を決めます。刺入点は2ヶ所になります。
例えば第4腰椎レベルで今のようなポイントをとると、そうした場合にはもう一ヶ所は2椎あけて第2腰椎のレベルにというような形で刺入点を決定します。そしてそれぞれの刺入点を局麻します。
X線透視下で局麻薬が肋骨突起を越えて前のほうに流れないように注意しながら針先は肋骨突起の手前までを局麻するようにします。
次に21G直径0.8ミリ長さ10センチのブロック針を用いて、場合によっては15センチというような体格によっては使うのですが、刺入点から椎間孔の上縁を通って椎体の側面まで針を進めていきます。このときも神経根知覚神経に触れますと下肢のほうに放散痛が走ります。その際には針先の方向を変えて刺しなおします。椎体の側面まで針先を進めて針先で骨との接触したとの感覚がえられたら骨との接触を保ったまま椎体をこすりながら椎体前縁まで針先をすすめます。(透視下)
椎体前縁の部分で刺入を止めここで造影剤と局麻薬の混合液を1分節につき3ミリリットル程度注入します。
X線透視下で造影剤の流れを見ながら神経破壊薬の注入の可否を判断します。コンパートメントがここにもありますので、このコンパートメント内に薬液がとどまって下のほうに広がらないかことを確認してそれから神経破壊薬を入れます。もし造影剤と局麻薬の混合液が大腰筋のほうに向かって流れる場合には神経破壊薬をここで注入しますと陰部大腿神経にこの薬液が流れて行ってこの神経にアルコール性神経炎を生じるということがあります。
ブロックの効果は造影剤と局麻薬との混合液注入後数分以内に現れます。造営所見が良好であれば20分の経過観察をして鼠径部を中心とした下肢の知覚障害と運動障害がなければ神経破壊薬を注入します。
局麻薬の効果としては、足先が温かい感じがしてくるとか発汗が減少するとかそういった反応がでればうまく交感神経がブロックされ、知覚や運動の障害がなければそこで神経破壊薬を注入します。分量は、アルコール1分節あたり3ミリリットル注入します。ブロック後は側臥位のまま1~2時間程度さらに体位は自由に2時間程度安静を取らせます。これは胸部交感神経ブロックの場合と同じくらいの時間をとります。
適応ですが閉塞性動脈性疾患、あるいは閉塞性動脈症候群とよばれているようなASO、バージャー病等に適応があります。そのほかレイノー病、レイノー症候群、下肢の反射性交感神経性萎縮症、カウザルギ、多汗症だいたい胸部の交感神経ブロックと同じものに適応があります。
合併症は、知覚神経に神経破壊薬が作用した場合アルコール性神経炎、ブロック針が交感神経節にたどり着く手前で神経根をかすめるということがありますのでおこる神経根損傷、その他血管穿刺、太い血管もあれば細い血管もあるのですが、ブロックの場合血管を刺してしまうということはよくみられます。吸引テストなどを行って血管内に注入しなければ問題はないと思います。射精障害というのもあります。男性の場合、L1レベルの交感神経が遮断された場合には勃起障害が起こるということがあります。

ブロック手技の鍼灸手技療法への応用ですが、これは深層フ部にありX線透視下でないとできない手技ですので、なかなか鍼灸への応用は難しいと思います。


神経根ブロック

神経根ブロックとは、脊髄神経の神経根、またはその周辺へ局所麻酔薬とステロイド剤の混合注入により除痛を図るブロックです。
このブロックは、頚部胸部、腰部仙骨部のいずれにおいても可能です。
神経根ブロックでは、神経根穿刺による放散痛によって(神経根を直接刺すということ)罹患神経根が同定でき、脊椎疾患の責任部位の補助的診断に有用な検査ともなります。すなわち診断的治療になる有用な手段です。例えば腰椎の神経根症の見られる症例で、その責任部位がL5だと推測される場合L5神経根を注射針で穿刺し、放散痛を確認その領域がL5領域であれば高位診断と一致し診断をかねた治療となるわけです。
神経根とその周囲の解剖について… 脊髄から脊髄神経が出るところを根といい前方の遠心性繊維(運動神経)が通る前根と後方の求心性繊維(感覚神経)が通る後根とという二つがありますが、この前根と後根は、X線透視下面でみると椎対と椎弓のつなぎ目のところの椎弓根の直下で合流し椎間孔から出て行きます。そして椎間孔から出たところで、前枝と後枝に分岐していきます。よって神経根をブロックするためには、X線透視下で椎間孔から脊柱管内へ注射針を進めていく必要があります。
神経根ブロックの手技… 頚部でよく行われる下部頚椎の神経根ブロックは、患者を仰臥位とし頭頚部に低めの枕をいれ頚部をやや後屈させます。そして患者には顎を天井に向けるように指示します。刺入点は乳様突起と第6頚椎横突起前結節を結ぶ線上で、目的とする椎間孔直下の横突起前結節とします。示指でこの横突起前結節を触診して、この部位を局麻します。つぎに横突起前結節に向け22G(直径0.7㎜)長さ6センチの神経ブロック針を刺入し骨(横突起前結節)に当てます。その後ブロック針を頭側方向に刺しなおして椎間孔内へ針先を滑り込ませます。上肢への放散痛が目的とする神経根の分節に一致していいればそこで 造影剤を1~2ml.注入します。X線透視下で神経根が造営され血管内やくも膜下腔内に注入されていなければ薬液(局所麻酔薬とステロイド薬の混合薬か、神経破壊薬という場合もあります。)を注入して終了となります。ブロック後安静時間は1時間~2時間となります。
胸部神経根ブロックでは、患者の体位は腹臥位として胸の下に枕を入れます。刺入点の目安は、棘突起から外側3~4cm、ちょうど脊柱起立筋上に体軸方向と平行な線を引きその線と目的とする椎骨の左右の横突起下縁を結んだ線と交差する点を刺入点とします。当然のことですが、これはX線透視下で確認していくということになります。そして横突起の根元の下縁に針先を進めこの部位を局麻します。次に針の方向をやや尾側に変えて椎間孔へ針先を進めて行きます。針を進めていく途中で、放散痛がえられたらここで造影剤を注入して神経根像を確認します。以下の手順は頚椎の神経根ブロックと同様です。
腰部神経根ブロックは、患者の体位によって腹臥位法と、斜位法とがあります。
腹臥位法は、患者は腹臥位になり、腹部に枕をしいて寝ます。こうすることによって腰椎の前彎を減少させます。刺入点は、上下の肋骨突起を外側縁を結ぶ線と目的とする椎骨の左右の肋骨突起下縁を結んだ線との交点とします。この部位で局麻し、胸椎の神経ブロックで用いた程度の同じ太さの針で長さだけ眺めの9cmのブロック針を用い肋骨突起の基部までいったん針を進めていきます。これを刺針深度の指標とします。どれ位椎対に当たるまで距離があるか確認する意味でその深さまで注射針を刺していくということです。ブロック針をやや引き戻し、内尾側方向に刺入すると放散痛が得られます。先ほど指標とした肋骨突起基部から神経根までの深さは1.5cm前後でその間に放散痛が現れるというふうに予測して刺していきます。
次に、斜位法ですが、患者の体位は患側を上にした、斜め45度くらいの角度をとらせます。斜位の角度は椎間関節や椎間孔が透視下で正面から見えるように設定します。真上からX線を照射してちょうど椎間孔がきれいに見えるようにセットします。この方法では、正面に椎間孔が見えているので、X線の入射方向と平行にブロック針をすすめていくと用意に放散痛がえられます。この方法の欠点は、患者の斜位の程度が一定しないことです。患者は疼痛に対する逃避行動から腹臥位方向へと倒れていきやすい為どうしても先ほどのX線の入射角度がずれてしまうということが生じます。患者が動かない限りは、やりやすい方法ということになります。
どちらの手技を用いても、以下の手順というのは、頚椎や胸椎の神経根ブロックと同様になります。
仙骨神経ブロックは、患者の体位は腹部に枕を敷いた腹臥位とし後方から仙骨に向かってX線を照射し、透視下に第一第二仙骨孔が描出されることを確認します。これにたいして直線的に刺入していくことで容易に神経根を穿刺することができます。ようするに第一仙骨孔、第二仙骨孔にむけてまっすぐ針を刺していくということだけの手技になります。第一代に仙骨孔が描出されている角度からでは、第三代四仙骨孔は見えないため、X線の入射方向を変える必要がありますが、その場合は仙骨硬膜外ブロックが安全に代用される為このS3S4の高さではあまり神経根ブロックは実際には行われません。
適用は、多くの脊椎疾患に適用があります。例えば椎間板ヘルニア、変形性脊椎症による神経根障害が一番使用頻度としては高いと思います。そのほか上肢で起こる種々の末梢神経障害、帯状疱疹痛、帯状疱疹後神経痛反射性交感神経ジストロフィー・カウザルギーの治療としても用いることもあります。
合併症ですが、比較的多く起こりやすいのは血管穿刺や血管内注入です。注射針で間違って血管を刺してしまう、血管内へ薬液を注入してしまうようなミスですね、そして、蜘網膜かブロック、これは刺入深度が深すぎる場合硬膜外を通り過ぎてさらにくも膜下腔へと薬液が入ってしまうことがあります。この場合には、痛みがなくなるだけではなくて、感覚が脱出して運動麻痺になりますので安静の時間はかなり長く取らなければならなくなります。しかし、薬が代謝されれば、基本的には症状は消失しますので後遺症というものは残りません。脊髄穿刺という合併症があるのですが、あやまって脊髄を刺してしまうということです。この場合には、当該神経の支配領域に神経根ブロックのときよりも非常に強い放散痛が起こり程度により運動麻痺感覚障害痺れが生じます。これはいわゆる脊髄損傷ということになりますので、後遺症を残すという可能性もあります。神経損傷による合併症は、神経根をめがけて針を刺していますので当然神経を傷つけることがあります。ただ、単発の神経損傷では、ほとんど合併症や後遺症がみられなく、一度に繰り返し穿刺したり、短期間に何度も神経根を穿刺するということで生じることがあります。神経根の頻回の繰り返しの穿刺や脊髄穿刺後に反射性交感神経ジストロフィー、あるいはカウザルギーになってしまうという例もあります。
次にブロック治療の鍼治療への応用ですが、神経根ブロックはX線透視下で行うべき手技であるため一般的に同様のことを鍼治療に応用することはできません。しかし、明治鍼灸大学では、X線透視下での神経根への刺鍼および鍼通電を用いている先生もいます。腰部での神経根への刺鍼及び通電こういったことをされている先生です。あるいは陰部神経を透視下で刺鍼や鍼通電をやっているようです。鍼のような細い針でもX線透視下で確認できるのでやれない手技ではないのですがX線透視というのは、当然のこと被爆のリスクをおうことになるし医療行為ですので当然医師やレントゲン技師の協力が必要となります。なにより被爆のリスクをおうことになりますのでそこまでして鍼治療というのは行うべき治療なのかというのをまず検討する必要が考えられます。これは神経根ブロックでもいえることなんですが、あるいは他の神経ブロックでも言えることなんですが、被爆のリスクを考えると患者にとっても、医療者側からも敬遠されがちな方法なんですね。ですから、近年ではX線透視下ではなくて、超音波を使ったエコーブロックというのが、X線透視下でのブロックの代用として種々の神経ブロックで応用されるようになっています。また、X線透視下ではなくブラインドで盲目的に手技を行う場合には神経根を目標とするのではなくて椎間孔からでたところでブロックするといった方法もあります。これは、傍脊椎神経ブロックといいます。これでしたら、X線透視下でなくてもそれほどリスクは高くありませんし、あるいは鍼灸の鍼でも神経叢を作る前の神経刺激ということになりますが、これは比較的簡便に行える、だいたい鍼の長さが3寸あれば腰なんかでも届くところですので可能な手技かと思います。


硬膜外ブロック

硬膜外ブロックとは局所麻酔薬を注入することにより脊髄分節性に除痛血行改善筋弛緩を目的とした手技です。
しかし、外来での処置では主に除痛と血行改善の目的で行われます。
このブロックはペインクリニック領域では、星状神経節ブロックと並んで最も使用頻度の高いブロックです。また簡単な手術麻酔としても用いられることがあります。
硬膜外ブロックには、硬膜外腔を穿刺薬液注入後抜針する一回法(臨床的にはワンショット)、という方法と留置したカテーテル症状に応じて持続的に注入する硬膜外カテーテル持続注入法というのがあります。
硬膜外ブロックは、頚部から仙骨部まで何れのレベルでも志向することが可能です。
脳脊髄マクは脊髄を保護する為の膜で外側から順に硬膜、くも膜、軟膜という三層から構成されています。
最外装の硬膜は、大後頭孔より起こり第2仙骨孔の高さで終わります。その厚さは、大後頭孔付近が最も暑く、下方に行くにつれて薄くなります。
脊柱管と硬膜の間には、2~5ミリ程度の間隔があり硬膜外腔と呼ばれます。
硬膜外腔は主に脂肪血管結合組織で構成されておりこの空は陰圧となっております。体表から硬膜外腔にいたるまで皮膚、皮下結合組織、棘上靭帯、棘間靭帯、黄色靭帯椎弓間靭帯これらが介在します。
ワンショット法は、頚部、胸部、腰部、仙骨部で行うことができます。
頚部から腰部での硬膜外ブロックの基本手技は共通で正中法と傍正中法に分かれます。
正中法とは、ブロックしようとする高さに局特機間の正中線上を刺入点とするものです。
また、傍正中法とは正中から1~2センチを刺入点とするもので胸椎の棘突起間の狭い部分で用いる方法です。
患者の姿位は、いずれのほうほうでも患側を下にした側臥位とします。患側を下にするのは、薬液が重力に引かれ下方に流れる為です。
目的とする棘突起間を1%カルボカインで局麻します。局麻の後長さ6センチの硬膜外針または神経ブロック針を2~3センチの深さまで進めスタイレットを抜き生理食塩液をいれたガラスの注射器を継ぎます。ここでいう硬膜外針というのは鍼の根元に取っ手の付いている翼状針ともよばれ取っ手は竹とんぼの羽を短くしたような形をしており、ゆえに、翼状針という名前がつけられています。
また、神経ブロック針や硬膜外針には、通常の注射器とは異なり針の内腔に栓となるようなもう一つの針が入っています。この針をスタイレットと呼びます。これがあることで針先が動脈に入ったときバックフローいわゆる血液の逆流を防ぐことができます。このスタイレットを抜いた状態で、生理的食塩液を入れたガラスの注射器を継ぎます。そしてかたほうの手で針を保持し一方の手でピストンに圧を加えながらゆっくりと針を進めていきます。針先が棘間靭帯を貫通し黄色靭帯を進むとピストンの抵抗が急に強くなります。さらに針を進めていくと、急に抵抗を失うのを感じます。針先が硬膜外腔に達した兆候になります。ガラスの注射器をはずし髄液の漏出がないかを確認します。
次に薬液の入ったシリンジを付け替え吸引テストを行い血液の逆流がないことを確認し1%カルボカイン1ミリを注入すると多くの患者は背部の軽い圧迫感を感じます。そのまま数十秒町該当する分節に温感や痺れ感が出現しないかたずね安全が確かめられたら必要量の局麻薬を注入し最後に硬膜外腔までの刺入深度を測定して、終了とします。この刺入深度というのは2回目以降の目安として用います。ブロック後は10分~15分間患側を下にして安静時間は合計1時間とって終了とします。
胸椎腰椎と違って仙骨には棘突起間というのはありませんので方法が変わります。
患者の体位は腹臥位として、腹部に枕を入れます。刺入点は仙骨裂孔という、仙骨と尾骨の継ぎ目の部分とします。注射針は25~23ゲージ直径0.5~0.7ミリぐらいのものを持ち、これは神経ブロック針あるいは翼状針でなくてもかまいません。一般的な注射針を用いることが多いです。
仙骨裂孔にむけ針を進めていきます。角度としては、下方から上方へ、尾側から頭側へというような形で、やや斜刺をするような形で刺入していきます。そうすると、仙尾靭帯という靭帯、仙骨と尾骨の間にある人体ですが、ここにあたります。針先が仙尾靭帯に入ると、わずかな抵抗を手に感じるが、通過するとともに急に抵抗が少なくなり針が進んでいきます。吸引テストをして、血液の逆流がないかを確かめた後、0.5~1%カルボカインを注入していきます。注入する薬液の濃度・量というのは体格年齢症状に応じて決定します。
この、硬膜外ブロックの適用ですが、主に脊椎疾患、例えば椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症による神経根障害です。この疾患でもし、炎症が強い場合には、局麻薬に加えて少量のステロイドを注入することもあります。それ以外では、帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛に用いることもあります。この場合は、罹患脊髄分節付近で硬膜外ブロックを行います。末梢血行障害がある場合に於もこのブロックは有効です。例えば、下肢の閉塞性動脈性疾患、閉塞性動脈硬化症あるいはレイノー病など局所麻酔薬による血管拡張を期待して血流改善の目的で行うこともあります。
最も頻度の多い合併症は硬膜下ブロックです。硬膜外ブロックを行う際に針を刺しすぎた場合に起きます。蜘網膜下ブロックになると感覚脱出に加えて、運動麻痺が出現し、回復には4~5時間を要します。そのほか比較的多い合併症としては神経穿刺があります。脊髄穿刺やあるいは神経根を誤って穿刺してしまうことがあります。このほか出血、血管内注入、感染というようなものがあります。

持続硬膜外ブロックとは、カテーテルを硬膜外腔に留置し、局麻薬を持続的に注入する方法です。
硬膜外腔へのアプローチは、基本的にはワンショットの方法と同じです。カテーテル挿入に用いる針は、18ゲージ直径が1.2ミリぐらいの非常に太い針で翼状針を使います。ワンショットに用いる針よりもだいぶ太く、正中法でのアプローチは難しい為某脊柱法をもちいます。針先が硬膜外腔に達したところで、スタイレットを抜き髄液の流出がないことを確かめ、要するに針先がくも膜下腔まで行き過ぎていないかを確かめて、カテーテルを挿入していきます。カテーテルは針先から、頭側にむけて15センチ程度すすめていきます。そしてカテーテルを引き抜かないように注意しながら翼状針を抜き皮膚面からカテーテル先端までが、5~7センチになるように調節します。この手技は、場合によってはエックス線透視かで行うこともあります。1%カルボカイン1~2ミリを試験注入し目的の領域に除痛効果が現れればそこでカテーテルを固定します。その後は体外から局麻薬の入ったタンク50ミリ位入るタンクを首からぶら下げるような形で、携帯してもらって後は間歇的に薬液が注入されるように時間をセットします。あるいは、ボタンが付いていまして、患者が強く痛みを感じる場合にボタンを押して少量局麻薬が注入されるようにセットする方法もあります。
適応は、帯状疱疹後神経痛や、RSD癌性疼痛などです。
ブロック手技の鍼灸治療への応用というのは、硬膜外に入れるということはめったにないということですので、応用というのはしないわけなのですが、ただ、経穴で言うと、八陵穴とくに上陵次陵というようなあたりに鍼を刺す場合、硬膜外腔に鍼灸の鍼でも到達する場合があります。そういう場合には、硬膜外腔に達しているかは実際確認できないわけですけれども、鍼通電すると坐骨神経領域に放散する電気刺激とか、坐骨神経領域の筋が収縮するこういった反応がみられるということで、気づく場合というのがあります。

エピドラスコピーあるいは、エピドロースコピーというふうによばれる手術の方法ですが、通常の治療法、例えば薬物療法とか、神経ブロックに抵抗性を示す、慢性の腰下肢痛を有する患者におこなう硬膜外内視鏡下手術です。
内視鏡による脊柱管内の観察は1930年代はじめておこなわれているようです。その後、1995年にアメリカで硬膜外内視鏡が慢性腰下肢痛の治療に応用されています。以来、アメリカ、イギリス、オーストラリア、韓国などで、腰下肢痛の治療に盛んに用いられている手術の方法です。日本に於も、椎間板ヘルニア腰部脊柱管狭窄症、ヘールドバックサージャリーシンドロームこれは腰椎の手術を受けたにもかかわらず、腰痛や下肢痛が持続してしまった状態のことを言います。
エピドラスコピーの目的は、硬膜外腔の肉眼的観察、目的部位への確実な薬液の投与、要するに、神経ブロックなどでは、ブラインドで手技を行うことが多いので、内視鏡下で確認しながらやることで正確に薬液を目的の部位へ到達させると、3つ目は、硬膜外腔の洗浄による疼痛物質の希釈、あるいは除去、そして四つ目、癒着剥離による疼痛の改善、よくいわれるのは、硬膜と、椎弓の間に癒着が起きている、ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の炎症で癒着が起きているそれが痛みの慢性化につながっているということがあるので、その癒着を剥離し疼痛の改善を図る。5つ目としては、術後の硬膜外ブロックの有効性の増大などが上げられます。要するに、硬膜外ブロックをしたとしても、硬膜外腔に癒着がある場合には、薬が入りにくいということがありますので、その薬が入りやすくするために行うということです。
患者を腹臥位として、仙骨裂孔より挿入されたガイドカテーテルの中の、ファイバースコープによって硬膜外腔を観察しながらカテーテルによる癒着薄利と、生理的食塩水による炎症性物質の除去を行います。充分に癒着薄利と発痛物質の除去が終了したところで、造影を行い手術捜査前の造影と所見を比較して、硬膜外腔の広がりを確認します。局麻薬と副腎皮質ホルモンを注入してカテーテルを抜去し皮膚を一針分縫合して手術を終了します。
適応症としては保存療法に反応しない慢性腰下肢痛、神経根障害を伴う腰下肢痛、手術の後遺症が適応となります。あるいは、MRI画像にとぼしいけれども非常に強い疼痛を訴えるような症状の場合診断の意味も含めて、内視鏡下で硬膜外腔を観察し、必要であればそこで癒着を剥がすとか、そういった形で用いられる場合もあります。
このエピドラスコピーですが、高度先進医療という形で、数ヶ所の大学病院のみで行われている手術の方法です。


腰部脊柱管狭窄症

患者さんの体位は側臥位か腹臥位で行う。腹臥位で左右の治療をしていく際に、腰椎の前彎がもともと強い方が胸枕をしますとかえって前彎を増強してしまってうつぶせの姿勢をしているとつらくなってくるという患者さんがいらっしゃいます。ですから、うつぶせで治療を行う場合には、枕を少し下げておなかの辺りに枕が来るようにして前彎が強くならないようにする。前彎が少なくなると棘突起が触診しやすくなる。
側臥位で、胸枕を抱き枕のように抱いてもらい股関節膝関節を軽く曲げて海老のようになってもらうのが患者さんにとっては楽です。ただ横向きになるよりは抱き枕を抱いてもらったほうがただ横向きになってもらうより患者さんは心配されない。棘突起の触診もしやすくなります。背中を少し丸めて棘突起とか椎間関節を触診して治療にあたるということになります。基本的には患者さんが楽な姿勢で行うことが大切です。
自覚症状や理学的検査もしくは画像診断から判断した責任高位狭窄部周囲の筋緊張や循環状態に変化与えることを目的に鍼治療を行います。
具体的には椎間関節(椎骨の棘突起後縁〔棘突起の一番下のほう〕より外方2cm位を刺入点とする。体格のある方は2寸、女性で少々やせている方は寸6で直刺三分の二)で骨とは違う少し硬い組織に当たります。その時に軽く雀啄をします。その時に殿部または下肢に放散痛を感じる時点で椎間関節の近くに行っていると予想される。
三分の一くらいで硬い骨のような組織に当たったりとか、あるいは雀啄しても殿部にジワーと響きが無いとか(関連痛)そういう場合には、椎間関節の近くに行っていない。むしろ、棘突起の根本のほうに鍼が行っている可能性があります。
椎間関節の周囲は、脊髄後枝内側枝が走っていますので、針が近くに来ますとその後枝内側枝を刺激して関連痛(殿部にジワーともしくは下腿に響きが来る)を感じるので確認する。
普段感じる部位にその響きの部位が来れば、間違いなく近くに行っているということで、置鍼をしたり通電をしたりします。
少し症状が強い方、椎間関節の刺針をしてもなかなか症状が良くならないという場合は椎間孔に近い部位(椎骨棘突起外方3cmくらいを刺入点として3寸直刺三分の二以上入ったところ)で、自覚症状のある下肢に放散痛やしびれを伴うような響きを得られます。棘突起間で出ている神経根の知覚まで鍼をもって行くやり方です。ただし、侵襲性もあるし、テクニックを要するので訓練した方でないと難しい。
自覚症状のある下肢の支配神経の領域の経穴に置鍼することも多い。これは神経の刺激を目的とした下肢の治療です。具体的には、下腿の前側にビリビリジリジリとした痛みのある場合には足の三里に鍼をしていきます。深腓骨神経がそこに走っていますので、足の三里に鍼を入れていくと、ジワーと足のこうに響きを得られます。その響きを得られたところと、いつも痛いところが一致していれば高い確立で直後から痛みが軽くなることが多いです。
また、下腿の外側、長短腓骨筋に痛みがある場合には、腓骨頭の下端(陽陵泉)に鍼を持ってきて浅腓骨神経を刺激しますので、外側にかけてジワーと響きを得られます。外側に痛みや痺れのある狭窄症の患者さんは非常に多く、陽稜泉といつも痛みのある部位と一致し確認で通電をしてみますと長短腓骨筋が動いて外反してきます。
脹脛から足底部にかけて痛み痺れのある方は脛骨神経領域の障害ですので、委中あるいは承山承金で脛骨神経領域響きが得られたところで確認する。
神経刺激は痛みの域値を上げ、普通のツボに刺激をするよりも血流が確実に良くなります。
痛みがある領域がどこか、深腓骨神経領域なのか、浅腓骨神経領域なのか、脛骨神経領域なのかを確認する。その神経に応じたツボを狙って神経を刺激し痛みと一致した部分に治療をしていくことが重要です。
脊柱管狭窄症の治療は、椎間関節の刺針と、下肢の神経を刺激するような治療の二つに大きく分かれます。
響きが得られたときに、神経根型の狭窄症の場合は、まず間違いなく直後効果がある。
東洋医学的にはというと、狭窄症は下肢の症状です。体質的な背景を整え経過に良い影響を与えることは可能で筋力を増強することは身体の支持力を増して痛みや疲労を起こしにくくする。
狭窄症の患者さんは、一般的に下肢の痛みやしびれがあり睡眠不足で疲労感が多い方が多い。また、水分(お茶など)を飲む回数が多くてトイレの回数が多い高齢者がおおいのでそういう傾向になりやすい。背腰部の筋緊張が多く、前彎が増強傾向であり、腹筋の弾力がなく、腹部や顔にむくみがあることが多い。
これは、東洋医学的診察では、脈細数、口渇不眠、腹部と背部の筋緊張の差等から裏虚、熱証というタイプが多い。
腰痛や下肢痛を起こす局所は、腎精不足、肝血不足であり脾は後天の本、気血生化の源から、長年の脾胃の失調により腎精の補充や気血生化の能力が減退して腎精や肝血の不足にいたると考えられています。
配穴は、背腰部の膀胱経第一線に置鍼、大腸兪、膀胱兪、小腸兪上リョウ、ジリョウ、水分、陽地、陰稜泉置鍼または透熱灸を三荘ずつ加えていく。虚証の方が多いので補の配穴をしていく。
西洋医学的なやり方、東洋医学的なやり方がありますが、直後効果を期待するなら、神経刺激を行う。